社会教育研究活動

日本こども未来研究所

日本こども未来研究所

日本こども未来研究所

日本こども未来研究所は、子ども・若者を対象とする社会教育の発展に寄与することを目的に調査研究を進めています。
大阪の北部で地域密着型の社会教育及び文化芸術事業を手掛ける北摂こども文化協会が2004年に設置した、社会教育研究機関です。

日本こども未来研究所の目的

日本こども未来研究所の目的

日本こども未来研究所は、日本社会全体における子ども・若者を対象とする社会教育の発展に寄与すること を目的に調査研究を進めています。
具体的には次通りです。

実践分析
A)社会教育実践の分析を通して地域の社会教育活動における子どもの育ちを明らかにし、今の地域社会が抱える教育課題を整理し、現在必要とされる又これから必要となる支援の在り方や 目指すべき方向性などを社会に提言します。

動向調査
B)若者政策の先進国と言われるヨーロッパの動向を調査し、それらの分析結果を日本の社会教育の発展に還元します。

日本こども未来研究所の設立経緯

日本こども未来研究所の設立経緯

日本こども未来研究所は、特定非営利活動法人「北摂こども文化協会」が設置した社会教育研究機関です。
大阪の北部で地域密着型の社会教育及び文化芸術事業を手掛ける北摂こども文化協会が2004年に設置しました。北摂こども文化協会は1970年代に誕生した「豊能おやこ劇場(大阪府)」を前身とし、1999年に法人化するまでに、 既に30年近くの歳月を投じて、地域の子どもや若者、そして大人(子育て中の親)のための教育文化活動を続けて きました。その歴史を紐解くと、70年代から80年代の間は、運営委員会を中心とする活動の担い手たちが、「新興 住宅地に社会教育と文化を!」、「我が子のためにより良い文化環境を!」という情熱に基づいて、活動を企画し運営して参りました。
しかし90年代に入り、社会教育活動の実践家として経験を重ねた担い手たちは、疑問を抱くようになりました。 「大人の自己満足の事業になってはいけない」、「親の情熱がむしろ子どもの主体形成を妨げることにつながら ないか」・・・。折しも、1994年は、日本政府が国連「子どもの権利条約」に批准した年でもあります。「子どもにと って最善の利益」を追求することを約束した日本社会にあって、私たち大人は子どもたちにどのような活動の場 を提供するべきか、あらためて考え始めました。子どもの自立につながる真の参画とは何か。
「子どもに与えた い経験はたくさんあるけれど、それが子どもにとっての押し付けになってはいけない」・・・と。 このような流れの中で構想されたのが、手がけた実践の成果と課題を分析する教育研究機関の設置でした。 豊能おやこ劇場は90年代半ばには「おやこ劇場全国連絡協議会」から脱退し、「豊能文化芸術振興協会」、 「豊能こども文化協会」と名称を変えつつ、公益性のある子ども・若者向けの地域活動を提供する社会教育団 体として組織を再編しました。そして1999年には特定非営利活動法人格を取得し、2000年に現在の名称「北摂 こども文化協会」に改めました。
この組織再編の中で、教育分析の専門家を交えて実践分析を行う必要性が確認され、初めは当研究所の 前身にあたる事業検討委員会がその役割を担っていました。その後、検討委員会が積み上げてきた成果を礎 に、研究所として研究機関を独立させる意義を再確認し、2004年に「日本こども未来研究所」が誕生しました。

日本こども未来研究所 事業実施内容

日本こども未来研究所の事業実施内容

1.ユースサービスの研究
2.ライフデザイン・メンタリング講座の実施
3.地域における教育事業の調査分析

事業実績 ①ユースサービスの研究

日本こども未来研究所の事業実施内容 ユースサービスの研究

1.ユースサービスの研究
2011年「青少年を対象とする社会教育従事者(ユースワーカー)のための養成プログラムに関する研究(研究代表:立石麻衣子)」
【概要】
日本学術振興会 ・ 科学研究費補助金 ・ 奨励研究を得て実施した。研究目的は、若者を対象とした自立支援の在り方について、提供する支援内容およびその支援に携わる支援者の専門性の構築について検討した。
【訪問先】
イギリス: YMCAジョージウィリアムスカレッジ、デュ・モントフォート大学、レスター市内民間ユースセンター、レディング・コネクションズセンター

 

2012年 「青少年を対象とする社会教育従事者(ユースワーカー)のための養成プログラムに関する研究2(研究代表:立石麻衣子)」
【概要】
日本学術振興会 ・ 科学研究費補助金 ・ 奨励研究を得て実施した。昨年度の継続研究である。今回は、 学位レベル以上の養成プログラムに焦点をあてて調査研究を行った。
【訪問先】
イギリス: デュ・モントフォート大学、ハダーズフィールド大学、全国青少年協会(National Youth Agency)、 全国民間ユースサービス協会

2017年 論文発表
「英国におけるユースワーカーの資格・養成制度-2010年の再編と「専門職ユースワーカー」への期待-」日本社会教育学会編『子ども・若者支援と社会教育(日本の社会教育 第61集)』111-123頁(東洋館出版社)

事業実績 ②ライフデザインメンタリング講座の実施

日本こども未来研究所の事業実施内容 ②ライフデザインメンタリング講座の実施本事業

若者の「自立」を支援することを目的とする。中高生や青年が自身の将来を 展望し、自身の人生を創造していく際に必要な支援を行う。事業プログラム検討会、ライフデザイン勉強会を経て、 北摂こども文化協会が大切にする理念を中心に据えたプログラムを開発した。

プログラムの実施

日付 依頼主 講座名 対象者 人数
2008年4月30日 大阪成蹊女子高等学校 自ら創る、自分の未来! 高校2年生 60人
9月 6日・7日 青森県教育庁生涯学習課 ココロが軽くなる人権学習講座 高校1~3年生 22人
7月15日 奈良教育大学 働くってどういうこと? 大学2回生 20人
11月26日 千里金蘭大学 働くってどういうこと? 大学2回生 12人
2009年1月19日 豊能町吉川幼稚園 10年後の私 園児の保護者 12人
1月12・13・15・24日 奈良教育大学 権利としてのキャリア教育 大学2~4回生 16人
3月12日 ハニー・ビー 子どもさんとあなたの10年後を 考えてみませんか? 高校生の保護者 30人
5月26日 府立桜塚高校PTA 自分の生き方をみつめ自ら主体的に生きる未来設計
自ら主体的に生きる未来設計 保護者30人
7月4日 当協会主催 就活前の基礎知識 就活中の学生 5人
9月15日 千里金蘭大学 働くってどういうこと? 大学2~3回生 80人
12月3日 国立奈良教育大学 キャリア教育を考えよう 大学2~3回生 5人
2010年2月19日 府立交野高校 人はなぜ、働くのか? 高校2年生 200人
2010年5月8日 智辯学園奈良カレッジ 中等部 ライフデザイン・メンタリング 中学1~3年生 約15人
2011年3月20日 水月児童文化センター ライフデザイン・メンタリング 中学1~3年生 5人

講座のデータ分析(本講座の受講生を対象に講座満足度調査を実施)

講座のデータ分析(本講座の受講生を対象に講座満足度調査を実施)

交野高校アンケート集計結果
【満足度】
とても満足+満足(184人)
どちらとも言えない+少し物足りない+物足りない(75人)

【役立ち度】
とても+少しは(232人)
それほどでもない+役に立ったとは言えない+頭が混乱した(39人)

 

智辯学園奈良カレッジ中等部アンケート集計結果
【満足度】
参加者全員「とても満足+満足」
【とても満足+満足の理由】
働くことの大切さが分かったから。
今、自分が勉強している意味が分かった。
自分が少し大きくなったような気がする。
【役立ち度】
参加者全員「とても+少しは役に立った」
これから勉強していくのに、目標をもって勉強できそうだから。
これからの自分のためになると感じたから

 

水月事業「中高生のキャリア教育—今の勉強と将来のつながり」アンケート
【満足度】:参加者全員「満足」
【満足の理由】
今までの「何でなん?」という疑問とかすっきりした。
学校では習わないことを学べてよかった。
【役立ち度】
参加者5人全員「とても+少しは役に立った」
自分のもやもやがすっきりした。
普段、こういう機会がないから。
自分の将来をもう少し考えてみようと思いました。

事業実績③ 地域における教育事業の調査分析

日本こども未来研究所の地域における教育事業の調査分析
2001~2005年
北摂こども文化協会主催事業
「ひと山まるごとプレイパーク」の事業分析
2005年9月出版
『実践報告書ひと山まるごとプレイパーク(シイーム出版)』
2012年4月
『若者の居場所と参加ユースワークが築く新たな社会』
(東洋館出版社)田中治彦・萩原建次郎編著
こども環境学会・論文著作奨励賞受賞
立石麻衣子「Ⅲ.居場所を生み出す社会
第10章市民と行政の協働による居場所づくり」執筆担当
2012年
「社会教育領域における長期の青少年健全育成事業に特有の
教育力に関する研究」(研究代表:立石麻衣子)
【概要】本研究は、「第28回マツダ研究助成-青少年健全育成 関係-」に選出され、実施している。NPO法人北摂こども文化 協会が手掛ける社会教育実践「ひと山まるごとプレイパーク」 の分析を通して、社会教育の領域における青少年健全育成事 業に見られる特有の教育力を特定する。
研究対象となる実践の特徴は、第一に10年を超えて続く長期 の蓄積があること、第二に、プログラム提供型ではなく子どもの 自発性を尊重した活動を徹底していること、第三に、異世代 交流型の直接自然体験活動であることが挙げられる。幼児だっ た子が小学校を卒業するまでという時間軸の中で、子どもの 育ちを捉える。
2015年3月
マツダ財団研究報告書青少年健全育成関係 Vo.27, 31-46頁
論文発表「社会教育領域における長期の青少年健全育成事業に特有の教育力に関する研究 -生活圏の外にある里山で月1回開催される異世代交流型の会員制プレイパークに子どもが長年にわたって 継続参加することの意義-」

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