第18回いけだ夢燈花 式典 理事長挨拶

みなさま、こんにちは。北摂こども文化協会理事長の川野でございます。

会場にお集まりの皆さま、本日のご来場、誠にありがとうございます。
宣真高校、書道部のみなさん、“若者の想い“のこもった力強い書道パフォーマンスをありがとうございました。
今年で18回目を迎える「いけだ夢燈花」。子どもたちの平和と安全を願い、安心・安全のまちづくりの一環として、2001年より行っている取り組みです。

きっかけは、大阪教育大学池田附属小学校の児童殺傷事件でした。2001年6月、包丁を振りかざした不審者が、附属小学校に乱入し、尊い8人の子どもたちの命を奪うという悲しい事件が起きました。
それ以降、不審者対策が進んでいきました。学校の門扉はとざされ、ガードマンが立ち、防犯ブザーが配られるようになりました。
知らない人は危ない人かもしれないので気を付けましょう。そんなメッセージを発信せざるを得ない世の中となってしまいました。
身を守るには、確かに必要な対策です。ですが、この様な環境におかれた子どもたちはどんな思いを抱くでしょうか。社会って危ない。大人って怖いんだな。そんな風に感じて育った子どもたちは、次にどんな社会を作っていくでしょうか。殺伐とした社会になってしまうかもしれません。

そこで、私たちは考えました。不審者対策は必要な対策として行いつつも、もう一方で、今一度、人が信じられる、そんな社会をつくっていきたい。
子どもたちが安心して過ごし、心豊かに育っていくことを願っている大人が皆の周りにいっぱいいるよ。そんなメッセージを子どもたちにいっぱいいっぱい届けたい。
そんな思いで取り組み始めたのが、この「いけだ夢燈花」です。

北摂こども文化協会の呼びかけに応じて下さった、ダイハツ株式会社はじめ地域の企業様に応援をいただきながら、ダイハツ皐月会・ダイハツ労働組合・緑丘地区福祉委員会など地元の団体、そして個人有志の皆さまと共に、実行委員を立ち上げ、取り組みを続けています。
グランドをご覧ください。約1000個の手作りキャンドルが並んでいます。
昨年に引き続き、池田附属小学校、石橋小学校、緑丘小学校がご賛同くださり、学校の授業の一環としてキャンドル作りに協力してくれました。点火の際に、どうぞじっくりご覧ください。紙カップの一つひとつに、子どもたちの夢が描かれています。もちろん、水月児童文化センターの子どもたちも、手作りしました。

水月児童文化センターという子どものための社会教育施設が、地域コミュニティの活動拠点として生かされています。
キャンドル作りを中心に、いけだ夢燈花当日までの様々な準備作業や今日の取り組みを通じて、地域の子どもと大人が出会い、知り合いになり、イベント後も、日常生活の中で、町で擦れちがった時に、「あ、夢燈花の時のおじちゃん、こんにちは。」「かんたくん、こんにちは」「なんか困ったことないか」と安心して言い合える。そんな街づくりを目指しています。いや、すでにそうなり始めています。18年の積み重ねはすごいと感じます。

いよいよ始まった2019年度、「第18回いけだ夢燈花」。ご来場の皆さまが、たくさんの方々との交流、様々な方々とのお出会いがありますことを願っています。皆様のご来場、心より感謝申し上げます。

 

2019.9.1
特定非営利活動法人
北摂こども文化協会
理事長 川野麻衣子